不思議キュリオシティ

「無知の知ノート」別冊

宇宙大航海時代の灯台となる!?パルサー星

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宇宙を旅する未来の人類に 

パルサー星は灯台の役割を担い 位置情報を提供し 宇宙船の道しるべとなるのかもしれない 

  

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大航海時代 船乗りたちの道標であった灯台 

そして今 衛星によるGPSで私たちは位置情報を得ている 

宇宙大航海時代には どうだろう? 

パルサー星がその役割を担うのでは?と考えられている  

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電波天文学がまだ認められていなかった1960年代 

宇宙から一定の間隔で飛んでくる電波は謎とされた  

最初にパルサー星に気付いたジョスリン・ベル・バーネル博士は 

2018年11月4日 NASAエイムズ研究所での授賞式において 

基礎物理学に画期的な発見を成し遂げたとして「ブレイクスルー賞」を 受賞  

  

1968年NATUREに発表された論文以来 

現在 3000個ものパルサー星が見つかっている 

 

○ パルサー星の正体は? 

 

太陽の数十倍の大きさで質量は8倍以上の巨大な星が超新星爆発後に中性子星(巨大な星が死んだ後残る天体)となり 

直径20kmほどの球体となって回転し 強烈な電波を発する

 

質量によって辿る星の運命はさまざまで 私たちの太陽はいずれ(地球ほどの大きさの)白色矮星となる

 

(パルサー星のイメージ) 

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○ 宇宙大航海時代のGPSとして 

 

実証実験がされている  

2017年 NASAは 国際宇宙ステーションに

中性子星観測装置 = NICER(ナイサー)を設置 

 

時速約28000kmで飛行する国際宇宙ステーションの宇宙での位置をパルサーによって割り出す実験を行ったところ 誤差は10Km以内だった 

誤差2km以内に制度を高めることは可能だという 

 

地球を飛び出した未来の人間たちは 

広い宇宙の中 パルサー星の電波を頼りに自分たちの位置情報を得る  

SFだった世界は 着実に近づいている 

  

○ パルサーは個性的 

 

発する電波は1秒間隔のものもあれば 1秒間に何十回や 間隔をランダムに発するものまで 

その個性あるパルサーをGPSとして利用できないかと 研究が進められている 

   

例えば 【かに星雲】

誕生からまだ1000年という若い【かに星雲】から発せられるパルサーの電波は不規則で個性的   

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よく目にするこの(含まれる物質により違う色となって)美しい 【かに星雲】の画像 

世界中の天体望遠鏡で捉えた各画像(X線・紫外線・可視光線・赤外線・電波)を重ね合わせたものを元に作られている  

 

 【かに星雲】の中にある【かにパルサー】

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ハッブル宇宙望遠鏡(赤)とチャンドラのX線画像(青)を組み合わせた[かにパルサー]の画像(Wikiより) 

 

パルサーが作る波紋は直径1光年(地球から太陽までの距離の約6万倍)

ジェットと呼ばれる光速のガスを噴き出す

(イメージ)

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Time-Lapse Movie Of Crab Pulsar Wind


Time-Lapse Movie Of Crab Pulsar Wind

 

 

遥か長い年月の末 パルサーの動きは段々と遅くなり いずれは止まり

その星雲の姿も消えてゆくと考えられている 

 

 

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