人類最古級の未知の都市 テル・ハモウカル&テル・カラメル
定説は覆される
”メソポタミア文明発祥はイラク南部
チグリス川・ユーフラティス川流域に
最古の都市文明が生まれた” と思われていた
けど
発掘により次々に現れる新事実は
人類の都市文明は もっと古く
多くの謎に満ちていることを 教えてくれる
〇 テル・ハモウカル Tell Hamoukar
1999年
シリア文化省とシカゴ大学オリエント研究所による発掘調査で
少なくとも6000年以上前と思われる未知の都市が発見された
黒曜石製品を作る工房や土器片が見つかっていて
興味深いのは この辺りに黒曜石はないこと
化学的分析の結果
ネムルト山(現在トルコ)から産出されたものとわかった
つまり この時代にすでに
この辺りは 交易で栄えていた都市だったという痕跡
ネムルト山といえば
巨大な首が鎮座する世界遺産で有名
(以前エントリーしたネムルト・ダウ)
マップで確認してみると
① テル・ハモウカル
② ネムルト山
③ ギョベクリテペ
(以前エントリーした ギョベクリテペ)
ギョベクリテペとネムルト山 近っ!ってか ほぼ真っすぐに南北!?
位置関係にちょとビックリした
言っても
ネムルト山の遺跡はB.C62年のものとされているので
1万2千年前と推測される超古代のギョベクリテペとは 関係は無さそうだけど?
〇 テル・ハモウカル突然消滅の謎
交易で栄えていた都市が 突然の消滅を迎えたのは何故だろう
B.C3500年前後の地層から
焼かれた12体の遺骨が発見され
当時の武器だった 粘土を固めた球も多く見つかったことから
南部の都市ウルクに焼き払われ
この都市は消えてしまったと考えられる
当時の武器 (粘土を固めた球を投げる)
だけど疑問が、、、当時の戦争の目的は
その都市を支配下に治め税を取り立てることでは?
だとすると 栄えていた交易都市を消滅させる意味があるだろうか?
他にも何か理由があったのか?
〇 テル・カラメル Tell Qaramel
テル・ハモウカルから西へ数百キロ
ギョベクリテペに近いシリア北部
2007年の調査により 5つの石の塔の土台が発掘された
1万年前には建てられていたとされるその石の塔は
直径4m 高さが約6mと推測され
これが5つ こんな感じに
用途は現在のところ 謎なのだけど
人間が組織力で建てた最古級のものと思われる
年代的にも テル・カラメルとギョベクリテペは
同じ文化圏だったのかもしれない?
テル・ハモウカルとテル・カラメルの テルはアラビア語で 丘
ギョベクリテペ(太鼓腹の丘) のテペは トルコ語で 丘
超古代の人たちは 丘に都市を建設するのがブームだったのかな?
Google マップで見ていると
シリアには テルが付く地名がたくさんある
もしかしたら超古代都市が まだまだ眠っているかもしれない
〇 最後に
今回登場した地域の位置関係を地図で確認してみる
紀元前8000年紀には壁で囲った町があったとされ 旧約聖書にも登場するエリコ(ジェリコともいう)も入れてみると
この辺り
超古代 すでに賑やかな文明圏があったのではないかしらん?
現在紛争地のシリア北部
人々が心豊かに暮らせて
考古学も進展する 平和な社会に早くなってほしい
ご訪問ありがとうございました
感謝☆