元素の不思議その③ 地球に酸素が出来るまでの 元素から始まる壮大な物語
無意識に呼吸しているけど
地球に酸素が出来たコト その奇跡の過程に感動する
〇 原子番号25 マンガン Mn
そもそも元素とは?
物質の基本単位であり 化学反応で別の元素に変わることは無い
・ 1滴の血液の中に宇宙に存在する大半の78種類の元素がみつかるという まさに人体はひとつの宇宙
・ 宇宙の始まりビックバンで 最初は水素とヘリウムだけだった
周期表は
H水素 Heヘリウム Liリチウム Beベリリウム
Bホウ素 C炭素 N窒素 O酸素 Fフッ素 Neネオン ・・・と順に並び
たて列に性質の似た元素が現れるために周期表と呼ばれる
空にゃんに踏まれながら作った手作り周期表 再登場ww
マンガンManganese(元素記号Mn 原子番号25)
乾電池の原料としても使われるマンガンは1774年に発見された
〇 光合成
大気の約21%を占める酸素は 植物が水と二酸化炭素を使って光合成で作り出したもの
だけど光合成の具体的な仕組みは サイエンスでは200年以上の大きな謎だった
2011年 大阪市立大学(構造学)の神谷信夫教授らによって発表された論文
「光合成の結晶構造を解明」が 世界に衝撃を与えた
分析に使われたのは
兵庫県佐用町にある大型放射光施設 SPring8(スプリングエイト)
欠かせない重要な役割をしていたのは元素マンガンだった
マンガンとカルシウムと酸素が まるでイスの形のように結び付いてできた
マンガンカルシウムクラスター
M =マンガン O=酸素 C=カルシウム
このマンガンカルシウムクラスターが
あらゆる植物の中に存在して光合成を行っている
〇 シアノバクテリア
地球で最初にマンガンカルシウムクラスターを使い始めた生物が
オーストラリア ハメリンプールに 今も生き残っている
西オーストラリア パースの北約830km シャークベイ
岩のようにみえるストロマトライトは
シアノバクテリアが水中で成分を固めて作ったサンゴのような存在で 今も成長を続けている
約30億年前
太陽エネルギーを使って 二酸化炭素から自らの栄養である有機物を作り出す過程で たまたま副産物として出たのが酸素だった
やがて 海中に溶けきれなくなって大気を作り成層圏に達した酸素は オゾン層を形成
オゾン層が宇宙からの紫外線をさえぎってくれたお陰で
生命は地上に進出することが出来た
〇 鉄もシアノバクテリアの副産物
人間の血液中にも含まれる鉄
太古は 海水中に溶け込んでいたと考えられる
シアノバクテリアが排出する酸素と化学反応し 水に溶けにくい性質となって海底に沈んだ
海水中の鉄のほとんどは 19億年前までに海底に堆積し縞状鉄鋼層を形成
鉄は主に縞状鉄鋼層から採取される
〇 マンガンの重要性
さらに シアノバクテリアの一部は 植物の体内に共存し
葉緑体と呼ばれるようになり 植物は光合成の能力を得て
マンガンという微量元素を使い 地球環境を酸素溢れる惑星に変えた
なんて壮大な物語
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「自ら増殖するセメント」のニュースが先日あった
ここで重要な働きをするのがシアノバクテリア
凄いぞシアノバクテリアw
ご訪問ありがとうございました
感謝☆